車の塗装面のダメージの種類と劣化する原因と対策は?

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車の塗装面のダメージの種類と劣化する原因と対策は?

コーティング豆知識

2016/06/11 車の塗装面のダメージの種類と劣化する原因と対策は?

車が受けるダメージの種類

車の塗装面が新車時よりも年数を経て徐々に見栄えが低下するのは、様々なダメージを受け続けることに原因がありますが、基本的には車は屋外で使用・保管されるので走行中も駐車中も1年を通して様々な外的劣化要因にさらされています。

塗装面のダメージは、下記のような外的劣化要因が起因します。

 

 

 

花粉

車のペクチンダメージ

 

■原因■

花粉は球体形状で外殻で覆われており、水に濡れると外殻が割れて中から「ペクチン」と呼ばれるたんぱく質(酸性の多糖物質)成分が排出されます。

水に濡れて排出されたペクチンは塗装に付着するのではなく塗装組織の中へ侵食し乾燥過程で収縮、同時に内部の塗装組織ごと収縮させてしまいます。

このダメージは花粉(ペクチン)量と気温、経過時間に比例して深刻化します。

なお、花粉は一年を通して大気中に飛散していますが、最も飛散量が多く車のダメージが出やすいスギ花粉とヒノキ花粉が飛散する時期は2~5月です。

 

■対策■

塗装を一定時間以上の熱で暖めて、塗装内部に入ったペクチンを熱分解し塗装の応力を利用して塗膜を復元します。軽度の場合はポリッシング(磨き)の研磨熱で修復可能な場合があります。

重度のダメージの場合、研磨の一時的な熱ではペクチンの分解に不十分なことが多いですが、外気温が高くなる夏場は塗装の温度が継続的に70℃前後に達するので自然に修繕される事があります。

花粉のピーク時期の2~5月はできる限り降雨の前後で洗車を実施して花粉を除去、その際の水分の拭き上げはいつも以上に徹底するようにしましょう。

 

さらに詳しい花粉ダメージの対処方法と対策はこちら→ 花粉ジミの原因はペクチン!?対処方法と未然の対策

 

 

 

鳥糞・樹液

鳥糞の跡

 

■原因■

鳥の糞や樹液などの有機物質はアルカリ性または酸性となっており、付着時間が長いと乾燥過程で塗装内部を膨潤させるのと同時に塗装の架橋結合を切断、紫外線や温度変化と水分が加わることで割れや剥がれが発生します。特に夏の炎天下の場合には塗装への侵食は著しく早くなります。

 

■対策■

糞や樹液の膨潤の段階では、加熱することで塗膜内へ浸透した水分や有機酸を蒸発させ復元できる場合がありますのでボディーへの付着を発見次第に速やかに除去します。

塗装の架橋結合が切断された段階に至り割れや剥がれが生じた場合は、研磨しても何らかのダメージ痕が残るので再塗装以外で完全修復することは不可能です。

尚、硬化型コーティングには鳥糞や樹液などの有機ダメージに対し一定の耐性をもつものがありますが、プロテクションフィルムなどで物理的に外的要因から遮断すれば、長期間付着した有機物ダメージから車の塗装を完全に防ぐ事ができます。

 

 

 

黄砂

ボディーに積もる黄砂

 

■原因■

モンゴルや中国などの乾燥・半乾燥地域の黄砂地帯から風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象で、「黄砂」単体では車の塗装面に化学的なダメージはありませんが、石英や長石などの造岩鉱物や、雲母、カオリナイト、緑泥石などの粘土鉱物が多く含まれておりマグネシウムイオンやカルシウムイオンが主成分となっているので降雨などで水分を含むとその無機成分が水分に溶け込み、ボディ上で乾燥することでイオンデポジットの原因に繋がります。
また、土壌起源ではないと考えられる硫酸イオン、硝酸イオン、アンモニウムイオンなども検出され、人為起源の大気汚染物質を取り込んでいる可能性も示唆されています。

 

■対策■

ボディーに黄砂が堆積した状態で雨に降られると水中に無機成分が溶け出します。日本での黄砂のピークは3月~4月、5月いっぱいも黄砂が飛来します。この季節では雨が降った後の洗車、または雨が降る前に洗車して黄砂を除去しておく事で対応します。

低~中度のイオンデポジット化したものは酸性ケミカルで除去、またはバフ研磨などで修復する事ができます。

 

 

 

紫外線

車の紫外線劣化

■原因■

可視光線よりも波長の短いもの(UV-C/UV-B/UVA)が紫外線で、主に塗装にダメージを与えるのがUV-Bです。

車の塗装面が長期間紫外線を浴びると、特に彩度の高い色(赤や黄色、黄緑など)は色ボケや色褪せといった現象が顕著に現れまずが、どんな塗装色であっても様々な劣化が引き起こされます。

さらに紫外線を浴び続けることで、塗装における分子配列のバランスが乱され汚れも付着しやすくなり、塗装の架橋結合が断裂し表面の滑らかさを失う原因になります。

 

■対策■

ガラスコーティング等の硬化系コーティングには紫外線吸収領域をもちません。(紫外線に強いという謳い文句はコーティング被膜自体が紫外線を透過する為、劣化しにくいといったメカニズム)紫外線をカットするには自宅の駐車場所へカーポートを設置したりボディカバーで保管する方法や、ボンネットやルーフへプロテクションフィルム(紫外線カット率94%以上)を施工することも有効です。

 

 

 

水道水

水道水のカルキと車の塗装

 

■原因■

洗車時に使用する水道水は確実に金属イオン(マグネシウム、カルシウム等)を含んでおり、更にはカルキ(塩素化石灰)が消毒剤として添加されています。

塗装面に残った水滴は、内側の表面張力で外周に集まり乾燥することで濃縮され白い輪状のシミとなってボディーに堆積(イオンデポジット化)します。

イオンデポジットの発生原因として、洗車時の水分が自然乾燥し濃縮された無機物質が繰り返し同一個所に残留した事に起因する場合が非常に多いです。

無機物質が同一箇所への固着を繰り返すとクレーター上に塗装を痩せさせウォータースポットが出来てしまうと、安全に取り除くことが難しくなります。

尚、都市部では水道水のカルキ濃度が高い傾向にあります。井戸水もまた同様に多くの金属イオンやミネラルを含んでいるのので洗車への井戸水の使用は厳禁です。

 

■対策■

軽度のダメージはコンパウンドによる研磨で除去可能ですが、重度のイオンデポジットの場合は塗装面をむやみに削らずに酸性ケミカルで除去してから研磨して仕上げる方法が適しています。

ボディが高温時の洗車はボディ上での水分の乾燥が早い為イオンデポジットが発生しやすいので、夏場の洗車はくもりの日や早朝、日没などの時間帯を選びましょう。

また日頃から洗車後の水分の拭き上げを徹底することが一番の対策です。

 

 

 

鉄粉

鉄粉のダメージ

 

■原因■

鉄粉は主に、走行中の車両のブレーキディスクからの飛散するので、主に走行中にボディに付着しますが、幹線道路沿いや交通量の多いの駐車環境だと鉄粉の付着が多くなります。また、鉄を扱う工場や鉄道の線路などから排出された鉄粉も塗装面に付着します。

この鉄粉が塗装面に付着すると、鉄粉の酸化が進行し徐々に塗装膜へ食い込んでいきます。クリア塗装のない車の場合はチョーキング現象を引き起こすケースがあります。

 

■対策■
ボディ用鉄粉除去粘土もしくはアイアンカットなどの反応型の鉄粉除去剤を使用して除去します。軽度のものは鉄粉リムーバーのみで除去できる場合もあります。

 

 

 

酸性雨

車の酸性雨の被害

 

■原因■

酸性雨とは大気汚染等によって発生する硫酸イオンや硝酸イオンが強い酸性を示す降雨で、塗装面に残留することで塗装にピンホールや陥没ダメージを与えます。

発生のメカニズムは酸性雨が塗装に残留し、その中の水分が蒸発することで酸性イオン成分が濃縮され塗装の架橋結合を切断してしまいます。

酸性雨は年間を通して降っていますが、pH4.0以下の降雨の割合は暖候期の19%に対し寒候期では53%でpHの変動に季節変化が認められています。

■対策■
ピンホールやダメージの深さに合わせて研磨して除去する方法になります。完全にリセットするにはペーパーでの重研磨が必要なので、あまり深追いしても限りある塗装を無闇に削ることになるので研磨に適切な判断が必要です。

酸性雨に対しては硬化系のコーティング(ガラスコーティング・硬化型樹脂コーティング・セラミックコーティング等)又はプロテクションフィルムの施工が有効です。

 

 

 

 

まとめ

1年を通して様々なダメージを塗装は受けますが、車の塗装が最も大きなダメージを受けやすい季節は花粉と黄砂の舞う2~5月です。

逆説的ではありますが、この季節のお手入れさえしっかり行えば長期的に車の健全な塗装状態を保つことが可能です。

上記の原因の他にも、酸性雨やPM2.5など複合的な要素が相まって塗装面にダメージを及ぼすことが考えられます。

塗装に与えるダメージにはあらゆる種類や駐車環境によっても様々なケースが考えられますが、塗装を保護する手段としてカーポートの設置やボディカバー保管、カーコーティングやプロテクションフィルムの施工は有効な劣化防止対策です。

 

 

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