車のワックスに利用価値あり!?そのメリットとデメリットとは?
2013/08/18
現在では、技術やテクノロジーの進化で多くのコーティング剤が存在します。
ガラスコーティングに代表される硬化系のカーコーティング剤は、耐久性の低さに難のあるWAXに代わり登場しました。
昔ながらに根強く存在するワックスが全くダメというわけではなくその特性を生かした利用方法があります。
現在主流のガラスコーティングに代表される硬化型コーティングとワックス。それぞれのメリットとデメリットを踏まえて、ワックスの利用価値をご紹介します。
硬化型コーティングとワックスの違い
硬化型コーティング(以下:コーティング)とワックスの大きな違いとしては、油分が含まれているか、いないかの違いがあります。コーティングの場合、無機物(シリカ)を主成分とし塗装表面に均一な分子配列を形成する事で撥水効果を得られる様になっており、そのほとんどの場合で油分を含みません。一方のワックスは主成分が有機物(油分)となっています。
ワックスのデメリット
コーティングは基本的に、効果が落ちても塗装面を汚したりすることはありませんが、ワックスは効果が落ちてしまうと雨などで流れ出し、黒い水垢として沈着してしまいます。
同質のものは結び付きやすいという性質(共有結合など)があり、塗装は有機物なので有機質であるワックスが沈着汚れとして付着しやすいのです。
またコーティングとワックスには、効果の持続期間にも違いがあります。コーティングの機能層の耐用年数はおおよそ2年以上となりますが、ワックスはおおよそ1~2ヵ月です。つまりワックスを用いて車の塗装面を保護するのであれば、小まめなメンテナンスが必要となりその効果の持続性・耐用年数はコーティングに遠く及びません。
ワックスのメリット
塗装の保護にワックスの使用する大きなメリットは、ウォータースポットの付きにくさです。
ガラスコーティングに代表される硬化型コーティングの多くはシリカを主成分とした無機骨格で形成されるので有機汚れに強い半面、無機⇔無機は結びつきやすく、シリカスケール(水道水のカルキやミネラル分などの無機汚れ)が固着しやすい傾向があります。一方で有機質が主体のワックスは無機汚れであるやシリカスケールが固着しにくいという化学的な特性があります。
「ワックスは水染みがたくさん出来る」と疑問に思う方がいると思いますが、ワックスで出来る水染みは無機被膜で発生するウォータースポット(別名:イオンデポジット)とは別物で、塗装へ化学的に共有結合(固着)することはありませんので、イオンデポジットがウォータースポット化しクレーターのような深刻なダメージを塗装が受けることがありあません。
ワックスの利用価値
車の塗装面をしっかりと保護しその持続期間を長く保ちたいのであれば、車の塗装保護にはワックスよりも定着性の高い硬化型コーティングが遥かに優位性がありますが、ガルナバ含有量の高いワックスを硬化型コーティングのトップコートとして使用する方法があります。
塗装保護性能に優れた硬化型コーティングをベースコーティングとして施工し、その上からウォータースポットやイオンデポジット等のコーティング被膜や塗装へ著しいダメージを与える無機汚れに対し、ワックスを犠牲膜として機能させます。
数ヶ月で落ちてしまい沈着する黒ずみ汚れとなるワックスは有機質ですが、有機汚れに強い硬化型コーティングをベースコートに敷くことで、簡単に汚れを落とす事ができワックスが塗装へ沈着する事も防いでくれます。
小まめなメンテナンスは必須となりますが、互いのメリット・デメリットをカバーし合う優れた塗装保護方法です。
ベースコートの捨て膜オーバーコートとしてのWAX。
施工したコーティングの相性はありますので施工されたショップやメーカーにお問い合わせください。
基本的に無機ガラスコートであれば有機物であるWAXで変質してしまうことは無いと思うのですが、多くのコーティングメーカーで「コーティング施工面にWAXなどは掛けたらダメ」というのが一般常識化されています。
ですので最終的には自己責任となりますが、ガルナバワックスの良さや確かな利用価値が実感して頂けると思いますので、是非お試しいただきたいと思っています。
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